管理人の独り言 le monologue

「断面展」

4月になりました。今日は新年度の始まりの日、イースター、エイプリールフール、そして関東は桜が見頃と盛りだくさんの日です。ジュイエトップ画も桜にしてみました。

さて、現在、ギャルリー・ジュイエでは多摩美統合デザイン学科2年生のグループ展「断面展」が開催中です。「断面」をテーマにそれぞれがいろいろな方法で表現しています。作者が試行錯誤して、「断面」の表現にたどりついたというのがみてとれて、美大生らしく若々しく、かつ見ごたえのある展示になっています。

その中で私が一番好きなのが、東千鶴さんの「断面からの想像」という作品。

断面展

夏目漱石「こころ」太宰治「走れメロス」芥川龍之介「羅生門」、それぞれの小説を端的に表す一文「恋は罪悪」「私は信頼されている」「雨やみをまっていた」を切り取って、そのイメージを絵画化するというもの。絵画は4枚ずつ12枚、今回の展示のメンバー6名が2枚ずつ描いています。 3つの文庫本には、既製品ではあるけれど、イメージのブックカバーがかけられ、まるで絵画のように作品の一部として存在しています。 文学と芸術、両方の欲求を満足させるようなこの作品は、とても私好みです。中・高校生の頃に読んだこれらの小説、もう一度読んでみたくなりました。 東さんの作品ながら、6人で絵を描いているところが、「断面展」を象徴しているようでもあり、6人のチームワークのよさをも感じます。

「断面展」は4月3日まで。素敵な展示ですので、是非お越しください。 もし、上記「断面からの想像」がいいなと思った方、トイレにちょっとしたおまけがあります。トイレを覗くのもお忘れなく。