管理人の独り言 le monologue

同じ土俵にのれるということ

6月になりました。ホームページのトップ画も紫陽花の写真にしました。

5月の半ばに、不整脈の治療で、カテーテルアブレーションの手術のために入院してきました。カテーテルアブレーションとは、血管にカテーテルを通して治療するという、わりと簡単な手術なのだそうです。が、そうはいっても局所麻酔だし、術中はけっこう大変でした。

術後の体の負担は少ないと聞いていましたが、本当に術後は元気、次の日には普通に動いていました。そうなると病室の会話などもよく聞こえてきます。
お隣のベッドのかたの治療方法が聞こえてきて、あれ、これ知ってる、悪性リンパ腫の治療方法。経験済ですから、手に取るようによくわかります。10年以上たっても同じ治療方法なんだなぁとぼんやりと考えていて、そのことを友人にLINEで話したら、「隣のベッドのかたもよくなりますように」との返事がかえってきました。

そこではたと気づきました。もしかしたら私が経験者だって言えば、隣のかたの力に少しはなれるのではないかと。機会をうかがって、思い切って話しかけてみました。「私も10年以上前に同じ治療うけたけど、10年たってこんなに元気です。だからきっとよくなりますよ」と。それを聞いたお隣の方の顔がぱっと明るくなって、「夜、一人で考えていると涙がでてきたけど、少し安心しました」と。
私が退院して病室をでるときも、治療中なのに大きな声で「ありがとう!」と言ってくださいました。

同じ土俵にのれるって素晴らしい。私が経験者じゃなければ、多分あまり心には響かなかったのではないかと思います。病気のとき、ある一言が、心の支えになることは私にもありました。私が声をかけたことによって、それが少しでも支えになれば、こんなに嬉しいことはありません。私のほうが幸せをもらったようでした。カテーテルアブレーションの経験も、いつか誰かを励ます言葉になるかもしれません。そう思えば、病気するのも悪くないかも、もちろん病気しないにこしたことはありませんが。