「硤」という漢字
小学生の頃、国語の宿題に、この漢字をつかった他の単語を考えなさいというのがありました。例えば、「休息」の「休」の別の単語、つまり「休刊」とか「運休」といったような具合です。たくさんあったその中に「距離」の「距」の別の単語は?という問題があり、これは全く浮かんできませんでした。宿題はきちんとやるものと思いこんでいた私が調べに調べてやっとでてきたのが「超距」「脱距」という言葉。しかーし、この言葉全く聞いたことがない上に、意味もわからない。何これ?という感じでした。
学校で答え合わせを楽しみにしていたら、先生は、これは「距離」以外にはないなぁと言う始末。「だったら何でこんな問題だすの?」とガッカリしたことを思い出しました。
何故こんなことを思い出したかというと、ノーベル化学賞をとった時の人、硤合憲三(そあいけんぞう)さん。この硤合の「硤」、この漢字見たことがありません。ハサミは金偏の「鋏」だしなぁ、これは石編。
そこでネットで調べてみました。AIによれば『「硤」という漢字は、主に中国の地名(峡谷や険しい場所)に用いられる文字で、日本の日常的な熟語としてはほとんど使われません。』ですって。やっぱりね。さらに『「硤」は「石」+「夾(はさむ・せまい)」から成り立っており、「山と山に挟まれたせまい谷」や「険しい岩」を意味します。そのため、意味や使い方は山へんの「峡(峽)」とほぼ同じ』だそうです。ほぉ~。ちなみに、「硤合」という苗字、全国で30人ほどしかいないそうです。
すごいねインターネット、すごいねAI。上記調べるのにも10分とかっていません。小学生の頃にネットがあったら、あんなに苦労することはなかったんだなぁと思います。でも、こんな記憶が残っているのも苦労したからです。どっちがいいのかは神のみぞ知るなのでしょうか?

今週の展示は、「Change!!!」武蔵野美術大学油画専攻3年生の4人展。 油画だけでなく、立体やドローイング、テキスタイルと多彩な表現が興味深いです。是非お越しください。13日まで。
2つの廃墟写真展
昨年の6月、当ギャラリーで『廃墟写真展「痕と跡」』という写真展が開催されました。廃墟写真は見たことがありますが、こんなにまとめて見たのは初めてで、面白いし、好きかもと、そのときに思いました。
そのときの写真展の作家さんから、第2回の「痕と跡」を開催するとご案内をいただきました。そして同時期に別のギャラリーで「滅びの美」という廃墟写真展をやっているというので、両方行ってきました。(すでに会期は終了しています)
まずは「痕と跡」から鑑賞、昨年のジュイエの「痕と跡」と雰囲気は似ていましたが、もう少しおさえた雰囲気で、滅びゆくものの静かさや怖さを感じ、じっくりみているとカラー写真もモノクロ写真に近くなっていくような、そんな感じがしました。
その後、場所を移して「滅びの美」に行きましたが、ここで、あまりの印象の違いに驚きました。小さなテーマパークのような、あるいはおもちゃ箱をひっくり返して好きなものをさがすような、そんな感じなのです。写真だけではなく立体があったり、映像があったり、3Dがあったり、AIをつかったものがあったりで、展示の人数が多かったせいもあり、ごちゃまぜ感はいなめませんでしたが、楽しく鑑賞することができました。なによりも「痕と跡」では無彩色のようにみえたはずだったのに、こちらでは色彩が強く感じられたのが不思議でした。
どちらがいいのかは好みだと思いますが、同じテーマを扱っていて、1枚1枚の写真をみてみれば、それほど印象はかわらないのに、全体の雰囲気はこんなに違っている。
会場に目をうつしてみると、どちらも路面ではないけれど、「痕と跡」には窓があり、「滅びの美」には窓がないので外光は全くはいらない。こんなところにも違いの差があるような気がします。
ギャラリストの自分にとっては、とても勉強になった2つの展示でした。
そして、私に「廃墟写真」の扉を開いてくれて、その世界を発展させてくれた第1回の「痕と跡」の作家さんたちに感謝。

今週の展示は、横山知さ個展「生い先に達つ死の色」。 立体、半立体のミクストメディアの展示。多様な素材を使った面白さ、そしてのびやかさと強さを感じます。これからが楽しみな作家さんです。是非お越しください。10月6日まで
自然災害が多いこと
うっとうしい天気が続いています。夏休みが明けてからの展示はほとんど雨、この前の展示は台風まできて1日休廊することになってしまいました。雨が降ると、どうしても来る人は少なくなるので、私のせいじゃないんだけど、心苦しく感じます。梅雨じゃないんだから、そろそろ爽やかな秋がきてほしいです。
ところが、また台風26号が日本に近づいています。この台風はまっすぐ大陸のほうにいく予報だったのに、いつのまにか、曲がって日本の太平洋がわに沿って、進んでいます。なんでなんで?いい加減にしてほしいです。
お隣の県、千葉の惨状をみると、私の周辺は被害が何もないので、贅沢なことは言ってられないのかもしれません。26号も千葉県をかすめそうだし、これ以上の被害がでるかもしれないと思うにつけ、本当に心が痛みます。
能登地震、熊本地震、千葉をはじめとする水害など、自然現象による災害が立て続けに起こっています。広く世界に目を向けても、ネパールの土石流、インドネシアの火山噴火、グランドキャニオンの洪水、など、数多の災害が報告されています。そういえば、山火事もいろいろなところで起きていますね。
この現象はやはり地球温暖化に関係しているといえるでしょう。大きな台風が多いのは海面温度が上がっているせいだし、山火事は気温の上昇と乾燥に起因しています。これ以上の温暖化が続けば地球はいったいどうなってしまうのか?
武器をつくり、戦争をすれば、それだけ地球の温度は上がってしまいます。そして温暖化に無関心にみえる国ほど、戦争をしたがる傾向にあるように思います。
もはや、ひとりひとりの努力だけではどうにもならないところに来ています。つくづく人が人を滅ぼすのだと...これって何とかならないんでしょうか?

今週の展示は、空タツコ&Sopi〜2人展「Experiment じっけん⭐︎じっけん」です。絵画、立体のインスタレーション、ちょっと不思議で楽しくわくわくする展示です。ギャラリー内を探検するようにご覧ください。29日までです。
切符で電車に乗ること
駅に着いて、suicaを忘れたことに気づきました。しまった、昨日バックを替えた時に入れ忘れたと思いましたが、よく考えれば切符を買えばいいだけです。
というわけで、本当に久しぶりに駅で切符を買いました。いったい何年振り?
買おうと思ったはいいけれど、まず目的地までの値段をチェックしなければなりません。それから、どの自販機で買えるのだろうと、しばしとまどいました。当然のことながら切符だけを買う自販機は存在しない。チャージしかできないものもあり、これと思ったものも単機能ではなくいろいろなことができるようになっています。どれだどれだ、ここを押せばいいのかな?心の中でつぶやきながら、やっと購入できました。
そして、改札を入るとき、いつもは考えもせずタッチして通るけれど、切符がつかえる改札機ってけっこう少ない。駅構内にはいるにも、ちょっとした苦労がありました。そして降りる駅まで切符を手に持っているのも落ち着かない。切符買って電車に乗るのって、こんなだったっけ。
そして、あとから気づきましたが、私が買った切符は260円でしたが、suicaで乗っていれば253円、切符だと約3%増しということになります。1度ならたいしたことはないけれど、いつも切符だとばかにならない値段になりますね。電車に乗るということだけを考えると、いまどきは手間がかかるほうがお金がかかることになります。
ふーむ、時代の波にはやはりのっていかなければいけないようです。たかが1回切符を買っただけなのに、いろいろなことに気づかされました。たまにはこういう経験も悪くないかもしれません。

今週の展示は、木南玲個展「フルーツポンチ」、ぬいぐるみのインスタレーションです。ギャラリー空間が可愛いであふれています。「可愛い」が好きな方、必見です。来廊特典の缶バッチ(先着100名様にプレゼント)も超かわいいので、是非おこしください。22日まで。
日本とイタリアのコラボレーション
何十年も前のことになりますが、少しばかり長い期間、フランスに行っていたことがあります。その頃は、スマホどころかインターネットもありません。何をするのにも自力で頑張らなければ何も動かない。駅に時刻表を取りに行ったり、どきどきしながらフランス語で電話して旅先のホテルの予約をとったり、うまくいくこともあればうまくいかないこともあったりで、その都度考えていかなければならないのは、つらくもあり、楽しくもあり、今となってはよい思い出です。
今はスマホひとつあれば、ホテルの予約もタクシーの予約もできるし、翻訳機能もあり、スマホ使いこなせれば、世界旅行だってできてしまう、隔世の感がありますね。アナログの旅行もよかったけど、これは羨ましい、あの時にスマホがあったら、いったいどんな旅をしていたのだろうかと思うことがあります。
さて、今ジュイエでやっている展示「@WARP.」は、アナログアーティストのAyaとデジタルアーティストのMaurizio Lombardiの共同展。日本とイタリアのコラボレーションです。
作品がどういう感じかというと

Lombardiさんのデジタルで描いた作品を、日本でプリントして、そのプリント作品にAyaさんピーズなどで刺繍するというような感じです。
お二人はそもそもはInstagramで知り合ったそうで、そこから二人展に発展させたところも今風です。日本とイタリア、デジタルとアナログという対照的な技法も興味深く、個展ならいざしらず、遠く離れた2人がインターネットを使って、完成させたということにオリジナリティを感じます。「@WARP.」という展示タイトルもしゃれているではないですか。
この雨の日の憂鬱を吹き飛ばせそうな、楽しくて少し不思議な展示は、残念ながら3日間だけです、明日6日までですので是非おこしください。

マザーズハローワークから感じたこと
「マザーズハローワーク」と書いてある可愛らしいクリアホルダーを持っている人がいました。「マザーズハローワーク」?そんなのあるんだ。と調べてみたら、厚生労働省が、子育て中の仕事探しのために、2006年に全国にたちあげたものらしいです。詳細はこちらにありました。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_21046.html
求人に縁のない生活をしているせいか、20年もたっているのに全く知りませんでしたが、こういう試みはとてもいいことだと思います。
この特徴の中に「子育て支援情報の提供」という項目がありました。まてよ、日本にはこども家庭庁というのがあったはず。この試みの中にこども家庭庁は関係していないの?と思いましたが、読み進めたところそういうことはでてきません。こういうところだよなぁ、少子化対策が重要といいながら連携する気はないようです。
東京都の出生率が上向きになったという記事をどこかで読みましたが、東京都は保育園は無償だし、手当も充実しています。子育てのために東京外から東京に引っ越してくる人も多いと聞きますが、これはこれでどうなの?という気もします。東京都は財源が豊富だからできる業なのかもしれませんが、だったら足りない地方に、それこそこども家庭庁が支援したらいいんじゃないかと思いますが、いかなるものでしょうか?
なんかいろいろちぐはぐなんだよねぇーと感じるのは私だけ?

夏休み明けの久しぶりの今週の展示は「birth」女子美術短期大学の6人展です。絵画、版画、コラージュと多ジャンルでありながら、まとまっていて観やすい素敵展示。それぞれの個性を感じに是非お越しください。9月1日まで。
貧すれば鈍する
マンションのごみ置き場に不法投棄する人が何人かいます。分別はしていない、ごみ収集の日は守らないという、ひどい有様。そのまま置いておくのも、ごみ収集の人が気の毒だし、分別していないからもっていってくれないかもしれない。それは不衛生だし、見た目も悪い。やむを得ず、私がゴミをあけて、だいたい分別して、ごみの日に捨てています。いつも同じような捨て方だし、防犯カメラにもうつりこんでいるので、同じ人(マンションの人ではない)がやっているのは、明らかです。でもずっと見張っているわけにもいかないしねぇ…
ここで気づいたことがあります。見たくもないのですが、ゴミはほとんど洗っていない食物の入れ物で、いくつかの同じ種類のものが大量に入っています。なんかねぇ食生活の貧しさが垣間見れてしまうのですよ 。こういうマナーを守らない人たちって貧しいんだなぁとつくづく思います。
「貧すれば鈍する」という言葉があります。貧しくなると、愚かになりさもしくなるといった意味ですが、こういうのをみていると、本当にそうなのだと思います。
逆に考えて、「鈍すれば貧する」というのも、また真のような気がします。貧も鈍も招かないように、おもはばったい言い方ではありますが、清く正しく生きていきたいものです。

今週の展示は「camp」多摩美術大学 在学生・卒業生による8人展です。多ジャンルのグループ展で、それぞれ作品数が多いので見ごたえあります。どなたでも楽しめる展示ですので、是非お越しください。28日まで。
アートとAI
最近、調べものをするときによくChatGPTを使います。これがなかなか便利、一から調べるよりずっと楽だし、出てきた答えを検証するだけでいい。かなり時間の短縮になり、完全ではないにしてもかなりの結果は得られます。「チャッピー」という愛称で呼ばれるのもうなずけるところです。
しかし、AIはことアートとなると、盗用して一部を変えて、簡単に改ざんすることができてしまいます。ファインアートであれば、実際見ればその差はわかりますが、そもそもデジタルで描かれたものは、見分けるのは難しいのではないかと思います。これはゆゆしきことです。アートとAIの相性は悪いのでしょうか?
ところが、先週の展示の新城由史さんの作品は、センサーをつかって、鑑賞者が映り込む映像展示。

これは、床に映し出した映像に私の手をかざして映り込ませています。
そして、今展示しているARIさんの作品は

床の足跡を踏むことによって、廊下を歩いているように映像が迫ってきます。
どちらも、プログラミングが必要なのですが、これをAIに書いてもらっているのでそんなに難しくないそうです。
構想したことをAIにプログラミングしてもらえたら、映像のハードルが低くなり、身近になり、表現が広がります。3Dプリンターをつかうデータなんかも、AIをつかったら簡単になるのかもしれませんね。これは楽しい。
"Everything comes in handy when used right(なんでも正しく使えば役に立つ)”なんだなぁとつくづく思います。 これからの作品が楽しみです。

今週の展示は「4:00pm」武蔵野美術大学と多摩美術大学2年生5人の多ジャンルのグループ展。 「午後4時」がテーマの展示。美大生の5人がテーマをどのようにとらえているのかが興味深い展示です。是非お越し下さい。21日まで。
社会保険負担率
昨日の新聞に「社会保障負担率 自維の攻防」というタイトルの記事が載っていました。保険料負担率17.6%を16%台に引き下げるという維新案とそれに反対する自民、けっきょく「社会保障負担率の目標の検討」というところにおさまったようです。まだこれからということですね。
社会保障負担率をさげるということには、一理あると私は思っています。私個人のことでいえば、所得税や住民税を足した額よりも、社会保険料負担のほうがずっと多い。もちろんこの比率は収入によっても違うけれど、社会保険高すぎでしょと常々思っているからです。この財源確保のために高齢者を一律3割負担にするというのもやむを得ないかなという気はしています。
ところが、この記事をさらに読み進めていくと75歳以上の人を皆3割にすると、現役の負担率が増えるかもしれないと?え、何で?なんでも現状75歳以上の3割負担の人には公費(税金)は使われずに現役世代と75歳以上の保険料でまかなっているのだそうです。これだと後期高齢者医療制度から変えないと、財源確保できることにはなりません。けっきょく、高齢者の負担割合が増えるだけで、現役世代の保険料率はかわらないということになりかねません。
わかりづらい制度とは思いますが、維新の政治家のみなさん、ちゃんとわかっているんでしょうか?
だいたい、たいした仕事もしない会社役員になって、安い報酬をもらって、社会保険に入るという、違法ではないけど脱法といえる超グレーゾーンのしくみの団体に、維新のみなさんはたくさんはいっていたはず。さすがに今はやってないと思いますが、こういう人たちに社会保険のこと言う資格あるんだろうか?と疑問に思います。
制度はわかりやすく、政策はクリーンにお願いしたいものです。

今週の展示は、新城由史個展「心の記号」です。 映像のインスタレーション、人の動きが映像に入り込む、そんなイマーシブな空間ができあがりました。3台のプロジェクターから作り出された、静かで洗練された体験型の展示です。3日間だけの展示、明日(12日)までです。是非お越しください。
「上出来」という言葉
先の冬季オリンピックで、某解説者が「上出来です」という言葉を繰り返していました。調べてみれば、「物事の出来栄えや結果が非常に優れていること、また満足できる仕上がりであること」とあるので、言葉に間違いはないと思うのですが、これには違和感がありました。
というのは「上出来」という言葉の使い方としては、「初めてにしては上出来」「これだけできれば上出来」「私にしては上出来」という感じで、私が知っている限りでは、「上出来」の前に少し足りないとか、期待していないとかいうニュアンスがあるように思います。
それをオリンピックに出るような一流の選手につかうのは、おかしいのではないか?と感じてしまったのです。多分高揚した言い方で「上出来です!!」といっていたので、最大級の誉め言葉だったのだと思います。私の認識が間違っているのかもしれない??
ところが、会期後半になって「上出来」という言葉が出てこなくなったので、やはりおかしいと思う人がいて、指摘をうけたのでしょうか?なんにせよ、私としては心地よい言葉ではなかったので、ほっといたしました。
日本語はむずかしいですね。解説者も大変だけど、プロたるもの、正しい日本語を使うことをこころがけてほしいものです。その点では、途中から使わなくなった解説者は懸命だったと思います。

今週は、Group Exhibition "21 BY 21"、主に油画、アクリル画のグループ展です。大作が多く見ごたえのあるパッションのある展示です。 共通テーマのS10号(21インチ角)の作品も必見です。 3日間だけの展示です。今日27日は台風のため中止となってしまいましたが、明日28日の最終日は開催予定です。是非お越しください。