管理人の独り言 le monologue

プロジェクター

ギャラリーでレンタルしていたプロジェクターがとにかく古い。もう10年以上前に購入したものです。デジタルのHDMI対応のものが欲しいとずっと思っていました。ただ、人様に貸すものならある程度のレベルのものが欲しい、となると価格はそれなりにします。今年はコロナの影響で展示も少ないし、プロジェクターを使う方もいないし、どうしたものかと思っていたところ、現在開催中の展示『Hiroyuki Miura solo exhibition「語る末端」「在/不在」』でプロジェクターをレンタルしたいというお申し出があり、それならばと、背中を押されたような気になりました。

買うとなれば、この手の買い物はいつもかなり調べます。そもそもプロジェクターに関してはそんなに詳しいわけではありません。とにかくHDMI対応と、今つかっているものよりも解像度のよいもの、スペースを真っ暗にして使うことはほぼないので、照度のあるものをというのを基準にして調べまくりました。

目についたのがエプソンのEB-1780。これならば、明るさ3000ルーメン(今は2200ルーメン)、解像度も今より上のWXGA、モバイルタイプなので省スペース、もしかしたら、ギャラリーに古いのと2台とも置いておけるかもしれません。日本製だし、もちろんHDMI対応、いいじゃんいいじゃん。
よく調べると細かいところで少し気に入らないところもあったのですが、価格も含めてこれに勝るものは見当たらなかったので、これに決めました。

そうしたら、今開催中の展示ではプロジェクター3台使用するとのこと、1台はお持ち込みいただいたのですが、新旧2台とも借りていただけることになりました。古いほうでも十分使えるので、なんとも嬉しい結果に。購入したかいがあったってもんです。
プロジェクターが2台あるってちょっと嬉しい。新しいものをメインにして、古いほうもうまく活用できるといいなーと思います。



Hiroyuki Miura solo exhibition Hiroyuki Miura solo exhibition
今週は上述の『Hiroyuki Miura solo exhibition「語る末端」「在/不在」』、インスタレーション・映像・パフォ―マンスの展示。一言でいうとかっこいい展示です。メトロノームの音が心臓の鼓動のように感じ、それにともなう映像とパフォーマンスで、「人間」を感じさせます。じっくりご覧になる展示ですので、お時間に余裕をもってお越しください。11日まで。

フリーペーパー「in」

2年ほど前に、当ギャラリーで展示してくださった断面展の参加作家さんたちも参画している、多摩美術大学統合デザイン学科の有志制作のフリーペーパー「in」に広告を出してくれないかというメールが届いたことがありました。添付してあった「in」の企画書をみたらなかなかしっかりした内容、しかも次が7号なので、長く続けて発行しているようで、「へー、頑張ってるな」という感想でした。
そのときは協力できなかったのですが、いつか何かできればいいなーと思っていました。このたび、少しだけなら協力できるかもと思い、「断面展」参加の学生さんに仲立ちをお願いし、「in」編集部にほんのわずかながら支援をさせていただきました。

そうしたら、編集スタッフがフリーペーパー「in」をわざわざギャラリーまで届けてくださいました。
フリーペーパーin

マットな質感のフリーペーパーの、今号のテーマは「街」。学生さんらしい若い視線が新鮮です。おしゃれなデザインで、ところどころにロゴが宝探しのように隠れているのも面白いです。冊子としてはまだまだ工夫の余地があるかなと感じさせるところがまだのびしろがありそうで、そこがまたいいなーと感じました。
「in」とは「integrate(統合)」の略だそうで、こんなところにもこだわりを感じます。Webだけのフリーペーパーにするという話もあるらしいですが、紙派のアナログな私としては、是非紙媒体も残して欲しいと心から思います。

来てくださった学生さんと、「in」から離れて、少し他の話もしました。今の大学の授業はオンラインで、講評もデジタルで提出するという状態らしく、何よりも他の人が何をやっているのかが全く見えないのが不安とのことでした。美大はとくにそうかもしれませんが、やはり実際にいろいろな人やものに触れるのって大切なんだなぁと、これはギャラリーの存在意義にも通じるものではないかと感じました。コロナ禍の中、これからのギャラリーってどうなるんだろうという不安はありましたが、もう少し頑張ろうという気になってきました。

たわいのない雑談であっても、世代の違う人からの話って貴重だなと改めて感じた日でした。ありがとうございました。

MaroFes 2020

ただいま、ギャラリー企画の展示「MaroFes 2020」が開催中です。

この展示は、若くして2011年に亡くなったイラストレーターのmaroさんのメモリアル展示です。亡くなる2、3日前に「展示やりたかった」というメールをもらったのが、そのきっかけでした。それからいろいろなことがあり、9年たってやっと実現できた展示なので、いろいろな思いがあります。

参加作家もmaroさんと仲良しだった作家さんたちにお願いしました。「私のことで悲しまないで みんな楽しく生きてね」というmaroさんの最期の言葉にたがわぬよう、楽しく元気になるような展示を意識しました。来廊のお客さまも「元気になりそうですね」「楽しい展示ですね」という声が多く、あーその通りになったなぁと嬉しい気持ちでいます。

今回、作家さんに「maroさんに向けた作品を1点以上」というお願いをしています。それぞれ思いが伝わってきてよい作品ばかりなのですが、その中のひとつninko ouzouさんが、maroさんの作品をモチーフにして制作してくれました。

それがこれ。クマの絵

上がmaroさんの作品、下がouzouさんの作品「MY HOME -温かなあなたの存在 -/改」です。このように並べてみると、似てはいるけれど、それぞれの個性がでていて面白いと同時に、温かな気持ちになります。モチーフとして使いながらも、自身の作品に仕上げたouzouさんの実力も感じます。
このmaroさんの作品だけは私が所有しているものではなく、所有しているお客様にお願いしてお借りしたものです。ありがとうございます。

コロナ禍の中、開催できるかできないかで、毎日胃が痛い思いでしたが、思い切って開催してよかったと思っています。 ギャラリーの展示としても3か月ぶりで、展示ができる喜びを感じています。はやくコロナがおさまって、普段通りになってほしいと心から思います。

「MaroFes 2020」本当に素敵な空間になりました。無理のないようにお越しいただければ幸いです。7月12日まで開催しています。

MaroFes 2020

アジアのコロナ感染者

以前オーストラリアに行ったときに、変わった虫に刺されたことがあります。刺されたときは少し痒くて刺された口が2つあるくらいで大したことはなかったのですが、時間がたつにつれて、まるでやけどをしたときのように水泡になり、だんだん大きくなっていきました。現地の人によれば、一部のアジア人しか水泡にならないそうで、「へーそんな虫いるんだ、さすがは南半球。でも一部のアジア人に(私が)あたっちゃうなんてねー」などと思ったものでした。

今のコロナ感染症を思うに、アジアの国の感染者数と死者数が何故か少ない。死者数の人口の割合は日本、中国、韓国がほぼ同じだそうで、欧米の割合よりかなり少ないです。日本はPCR検査数も圧倒的に少ないし、欧米のように厳しいロックダウンをしたわけでもない。もともとの手洗いの習慣やマスクへの抵抗がないという要素もありそうですが、それにしてもこれくらいで収まっているのは、ありがたいことですが、不思議な気がしていました。

そこで思い出したのが、前述の虫、「アジア人だけが水泡になる」ということ。 欧米人とアジア人との体質の違いというのが関係しているのではないかという気がします。考えてみれば、顔つきや体形など見た目はかなり違います。体質が違っていたって何の不思議もない。コロナで重症になりにくいと考えてもおかしくないのかもしれません。もちろん何の根拠もないことですが。

いずれにせよ、はやく収まって普通の生活になり、心配なく展示ができるようになりますように。

10万円支給で思ったこと

新型コロナによる自粛要請により、ギャラリーも4月、5月は休んでいます。「Stay Home」を守って、4月になってから電車には乗ることもなく、ひきこもっておりますが、意外と平気です。ひきこもり体質だったのねぇと思うこの頃です。

政府の補償政策もやっと決まり、ひとり10万円支給されることになりましたが、これはこれでいろいろな問題がでてきたようです。
その中に世帯主の口座に一括で支払われるということがあります。これにはちょっと違和感があります。家族円満の家はまだいいですが、そうでない家はどうなる、世帯主(たいていは男性ですね)が独り占めしてしまうのではないか?そうでなくても、世帯主以外の人も働いていたとしたら… ちょっとおかしいんじゃないと思わざるを得ません。

もっと細やかな対応ができないものか?と思ったのですが、そんな配慮をしていると、支給が遅れてしまうのは明らかです。決定までさんざん時間がかかったのに、ここでまた遅れてしまうのは得策ではないと思います。今の日本では世帯単位で考えているので、致し方ないのかもしれません。それを個人単位にするのがマイナンバーなのでしょうが、マイナンバーカードの取得率は約15%だそうで、これではマイナンバーを生かすことも難しそうです。

マイナンバーカードについていえば、私は持っています。取得するにあたっては、個人情報の流出などが心配で躊躇したのですが、どうしてもe-taxにしたかったので、申請のわずらわしさを乗り越えて取得に至りました。おそらく皆そんなことを思って、マイナンバーカードの申請をしないのかと思います。しかし、もし皆がマイナンバーカードを持っていたとしたら、少なくとも世帯主の口座に一括ってことはなかったんじゃないかという気がします。

マイナンバーカードの是非はともかくとして、新型コロナウィルスの流行は、例えばマスクや機械部品などの製造を中国に頼りすぎていたとか、いろいろなことを気づかせてくれます。
早くおさまって、普段の生活に戻れることとともに、この教訓を生かせる社会になることを願ってやみません。

花の名前

一足はやい春がやってきた今年は、さまざまな花があちこちで咲いています。
新型コロナウィルス騒ぎで、外出を少なくしているせいもありますが、その分近所を歩くことが多くなってきています。近所といえどもあなどることなかれ、裏道に入るといろいろな花が咲いています。

そんなわけで、ジュイエInstagramにも、最近は、展示の紹介をするとともに、綺麗だなと思った花を載せています。そうなると梅や桜やモクレンなどのよく知られた花以外も目につきます。花の名前に詳しいわけでもなく、「何という名前の花なのだろう」と思うことが多々あります。

Instagramに載せるからには、花の名前くらいいっしょに添え書きしたい、ハッシュタグもつけたいってわけで、最近は花の名前を調べています。しかし、即座にでてくるであろうアプリは使わないで、WEBで地味に調べています。

例えば、今の時期によくみるこの花、
ハナニラ
「春の花、薄紫、雑草」というキーワードで画像検索して、でてきた花をひとつずつチェックします。これと思ったのが「ハナニラ」。葉の形がニラのようで、葉を傷つけるとニラやネギのような匂いがして、別名スプリングスターフラワーというそうです。ここまで関連つけると多分忘れない、少し苦労しないと最近本当に覚えられません。

大学の時の友人に、とても花に詳しい人がいます。「この花何?」と聞くと、即座に答えてくれて、彼女の知識が羨ましいほどでした。今ではめったに会うことがないので、当時のように聞くことができませんが、代わりにネットで調べることができます。ほんの少しだけ彼女に近づけたような気がするこの頃です。

夜の暮 夜の暮
今週の展示は「夜の暮」。イラストレータ、涼(suzu)さんの個展です。大人になりかけた少女の憂いをおびた、美しく、また少し不思議な雰囲気のするイラスト展、油彩・水彩・鉛筆画と多彩な技法の展示をお楽しみください。24日まで。

コロナ騒ぎの残すもの

一昨日の朝日新聞天声人語に、興味深いことが書いてありました。天声人語のライターさんも新型コロナウィルス禍を鑑み、テレワークをしているが、それなりの苦労もある。会社の資料室にある資料をみたくてもみられない、職場の会話からヒントをもらっていたのが得られない。紙の本の深さや仕事仲間の会話の大切さを思い知った。というのがその内容でした。かたや、SNSでは、「テレワークにしてみたら快適」という内容のこともちらほらみられます。

私個人は今までとほとんど変わらない仕事をしているので、実感としてはないのだけれど、ネットや新聞などをみているとなるほどそういうこともあるのかと思わせることも多いです。

人それぞれ、仕事の内容にもよるけれど、コロナ騒ぎのおかげで、何が必要で何が必要でないのかの切り分けができ、今まで変えたくても変えられなかった仕事体系が変わるのかもしれません。もしそうだとすれば、コロナも悪いことばっかりではないのかも。

いやいややはり、いろいろなイベントの中止や外出の自粛、マスクや消毒関連のものの不足、挙句のはて、デマによってトイレットペーパーやティッシュが店頭からなくなるなんてことは勘弁してほしい。経済の落ち込みもすごいだろうし、はやく収まって、前を向ける社会に戻ってほしいものです。

ジュリエットの数学個展 ジュリエットの数学個展
今週の展示は「第3回 ジュリエットの数学 個展「捕馬/traumatic」」。水彩画のイラスト展です。大人になりかけた少女の優しくてさみしい世界に、少しスパイスを加えた、そんな感じの展示です。「ジュリエットの数学」という作家名は、寺山修司編の詩集「ジュリエットの数学」からきているそうです。会場にその詩集も置いてあるので、展示とあわせてご覧ください。10日まで。

早咲きの桜

ギャラリーに行く道すがら、これからの時期はいろいろな花が咲いていて楽しいです。 今は途中のお寺の梅がきれいですが、同じお寺に、ソメイヨシノよりはピンクの色の強い桜が咲いていました。

RESISTANCE

早咲きだし、ピンクの色が強いので河津桜の一種?と思いましたが、暖かい伊豆地方ならともかく、2月の東京でもう桜ですか、今年ははやいなぁ~。そういえば、その近くにある、いつもソメイヨシノより10日ほどはやく咲く、さくらんぼの木にもつぼみがついていました。今年は楽しみがもうすぐなんですね。散る桜はさみしいけれど、これから咲く桜にはうきうきします。こういう気分って他の花にはないような気がします。

悪名高い「桜を見る会」も、「桜」だからそういう会が催されたのかもしれません。華やかで美しく、かつはかない桜は宴を楽しむのにはぴったりです。もちろん権力の誇示や税金の無駄遣いで使われたくはないですが。
今年は「桜を見る会」もないし、コロナ肺炎のせいで、桜をみながらのどんちゃん騒ぎも少ないかもしれません。だとすると優雅に桜も咲くことができるかもしれませんね。

さまざまなこと思ひ出す桜かな  芭蕉

eyes eyes
今週の展示は「eyes -Aoi Nishida/Misaki Kamata exhibition-」。女子美術大学4年生の2人展です。油絵・ドローイング・インスタレーションの展示。観る位置でかなり印象が変わるので、いろいろな位置から、いろいろな角度から、ご覧ください。25日まで。

「一月往ぬる二月逃げる三月去る」の言葉どおり、あっという間に1月が終わり、2月に入りました。ギャラリーでは、「RESISTANCE」という二人のモノクロ写真展開催中です。
この写真展でテーマにしているのが「東京」。新宿や渋谷や池袋など300枚ほどの東京の写真を所狭しと展示されているのは圧巻です。

東京、1000万人以上の人が住み、無秩序で雑多な騒音がし、ある意味では醜い。半面多様性があり、パワーにあふれ、遊び心があり、便利で、そしてある意味では美しい。私はずっと東京に住み、ほんの8か月ほどの海外での生活を除いて、他の地は住んだことがありません。東京のよいところも悪いところも知らず知らずのうちに受け止めてしまい、すべてが当たり前になっているような気がします。そして、東京以外に住むことはもはや考えられないのですから、多分東京が相当好きなのだと思います。

この展示は、そんな私に「東京」を再認識させてくれました。特に、普段訪れれば硬質なビル群の、丸の内の夜の写真がとても美しい。そう思うのは私が都会っ子のせいなのかもしれません。
そういえば、この写真展のタイトルは「RESISITANCE」抵抗者という意味ですが、もし私がタイトルをつけるとしたら「EVERYDAY」とかつけてしまいそうです。
受け止め方は人それぞれです。是非自分自身の「東京」を感じにいらしてください。2日間だけの展示なので、明日(2日)までです。

RESISTANCE RESISTANCE

クラウドという概念 

新しい年が始まり、ギャルリー・ジュイエでも今年初の展示「黒で魅せる2」が始まりました。

年末・年始と慌ただしい日々がなんとなく過ぎていってしまったのですが、まとまった時間ができるので、パソコンを買い替えてゆっくりとセットアップしていました。
それで、すんなりセットアップできたかというとそうでもありませんでした。とにかく自分でパソコンを所持しだしてから23年、ギャラリーをはじめてからも16年以上ですので、けっこうな量のデータが入っています。データのほとんど写真なのですが、100Gはゆうにこえています。

で、何が困ったかというと、Windows10にはOne driveというクラウドサービスが無償でついてきます。クラウドサービスとはWEB上にバックアップをとっておける優れもののサービスではあるのですが、無償でつかえるのは5Gまで。それ以上は有料です。最初に注意深くやらなかったために、標準の設定をしてしまい、自動的にOneDriveが使えるようになってしまいました。ローカルのパソコンと同期がとれてしまうので、あっという間にOneDriveの領域がいっぱいになってしまう上にどのファイルが同期されたのかが完全に把握できません。おまけに「OneDriveがもうすぐいっぱいになるので、領域を広げる(もちろん有料)か、fileを削除せよ」云々のメッセージがしょっちゅうでききてうっとおしい。けっきょく、OneDrive内のfileを削除して、リンクを解除、100Gをこえるデータを入れなおしました。これでいいかどうかは若干不安ではあるのですが、快調に動いています。

しかしこのことは、クラウドということを考えるよい機会になりました。ずいぶん前から言葉としては知っていたけれど、自分が使うとなるとピンときませんでした。WEB上に自分のスペースを置くということではレンタルサーバーもそうなのですが、ホームページではないプライベートのデータをWEB上におくということが、今やOSの標準についているというのに時代を感じます。便利といえば便利ですが、目にみえないだけに不安も感じる私はもはや古いのかもしれません。

あぁ、そういえば、iphoneのicloud(これもクラウドサービスです)も、もうすぐいっぱいになるので、しょっちゅう警告がきてます。こっちはそんなにデータないし、写真もパソコンと同期がとれて便利だし、月130円だからアップグレードしようかなと思っています。何も考えてないとIT社会では生きていけなくなりそうです。とほほ。


黒で魅せる2 黒で魅せる2

今週の展示は「黒で魅せる2」。ペン画家 時雨と金魚切り絵作家 雅人による二人展。ペン画と切り絵のコラボレーションがとても素敵です。大小約200の作品が並ぶ圧巻の空間に是非。21日まで。