クラウドという概念
新しい年が始まり、ギャルリー・ジュイエでも今年初の展示「黒で魅せる2」が始まりました。
年末・年始と慌ただしい日々がなんとなく過ぎていってしまったのですが、まとまった時間ができるので、パソコンを買い替えてゆっくりとセットアップしていました。
それで、すんなりセットアップできたかというとそうでもありませんでした。とにかく自分でパソコンを所持しだしてから23年、ギャラリーをはじめてからも16年以上ですので、けっこうな量のデータが入っています。データのほとんど写真なのですが、100Gはゆうにこえています。
で、何が困ったかというと、Windows10にはOne driveというクラウドサービスが無償でついてきます。クラウドサービスとはWEB上にバックアップをとっておける優れもののサービスではあるのですが、無償でつかえるのは5Gまで。それ以上は有料です。最初に注意深くやらなかったために、標準の設定をしてしまい、自動的にOneDriveが使えるようになってしまいました。ローカルのパソコンと同期がとれてしまうので、あっという間にOneDriveの領域がいっぱいになってしまう上にどのファイルが同期されたのかが完全に把握できません。おまけに「OneDriveがもうすぐいっぱいになるので、領域を広げる(もちろん有料)か、fileを削除せよ」云々のメッセージがしょっちゅうでききてうっとおしい。けっきょく、OneDrive内のfileを削除して、リンクを解除、100Gをこえるデータを入れなおしました。これでいいかどうかは若干不安ではあるのですが、快調に動いています。
しかしこのことは、クラウドということを考えるよい機会になりました。ずいぶん前から言葉としては知っていたけれど、自分が使うとなるとピンときませんでした。WEB上に自分のスペースを置くということではレンタルサーバーもそうなのですが、ホームページではないプライベートのデータをWEB上におくということが、今やOSの標準についているというのに時代を感じます。便利といえば便利ですが、目にみえないだけに不安も感じる私はもはや古いのかもしれません。
あぁ、そういえば、iphoneのicloud(これもクラウドサービスです)も、もうすぐいっぱいになるので、しょっちゅう警告がきてます。こっちはそんなにデータないし、写真もパソコンと同期がとれて便利だし、月130円だからアップグレードしようかなと思っています。何も考えてないとIT社会では生きていけなくなりそうです。とほほ。
今週の展示は「黒で魅せる2」。ペン画家 時雨と金魚切り絵作家 雅人による二人展。ペン画と切り絵のコラボレーションがとても素敵です。大小約200の作品が並ぶ圧巻の空間に是非。21日まで。
イギリスのEU離脱の雑感
時は12月、なにかと慌ただしい時節になりました。年が終わり、新しい年がもうすぐ始まるというだけのことなのに、何故か毎年せかされるような気がしてなりません。
この時期に、イギリスが来月EU離脱というニュースが入りました。選挙での与党圧勝でほぼ決定とのこと、あの国民投票から3年半、やっと決まったのねという感が強いですが、もし、これが日本だったらと思うと、このあいだの英国民の不安やいらだちってどれほどのものだったのだろうかと思います。いや、まだ決定ではないらしいので、まだまだ続くのかもしれません。
イギリスは日本と同じ島国ですが、イングランド、スコットランド、ウェールズ(この辺はラグビーワールドカップで記憶に新しいです。)そのうえ、北アイルランドもあり、それぞれの民族感情があり、日本よりかなり複雑なのではないかと想像できます。そのうえEUに属しているので、せめてEUとの関係を切りたいという感情もあるのかもしれません。(もちろん移民問題や貿易問題もあるでしょうが)
新聞に「英国人は欧州人にはなれない」ということが書いてあったけれど、そんなことがEU離脱の根本にあるのかもしれません。いずれにせよ、イギリスにとって、EUにとって、世界にとって良い方向に進むのが理想だし、そうあってほしいと思います。
今週の展示は「PARTY ― FIELD EDGE DESIGNZ, 2019 2nd TOKYO EXHIBITION ―」。当ギャラリーでは3回目の展示です。革製品とバッグの展示・販売、クオリティの高いハンドメイドの革製品はとても見る価値があると思います。金属作家のClystal Moon様とのコラボ作品もあり、ギャラリーがキラキラ輝いているようです。17日まで、是非お越しください。
トラベラーズチェック
トラベラーズチェックというのをご存じでしょうか?海外旅行時に使える旅行者むけの小切手のようなもので、換金率がよく安全度が高いので、かつてはよく使われていましたが、2014年に販売中止されたそうです。
そのトラベラーズチェックの残りがひょっこりでてきました。10000円の円建てのものでした。たかが、10000円されど10000円というわけで、換金できるか調べてみました。
旧富士銀行で購入したcitycorpのトラベラーズチェックなので、まずはみずほ銀行でしょってわけで調べたら、換金できそう。早速外貨取り扱いがある一番近い荻窪支店に電話してみたところ。どうも外貨両替ショップのほうが話がはやそう。
そんなわけで、先日みずほの外貨両替ショップがある新宿に行ってきました。駅から近いけどわかりにくく、しばしうろうろして、やっと見つけた両替ショップ、聞いてみたら「ここでは換金できない」とのこと(やっぱり(涙))諦めかけたら、「三井住友の両替ショップなら大丈夫かも」とのこと。で行ってみたらここでもダメ。結局ここで教えてくれた3軒目のSMBC信託銀行プレスティアで換金できました。このあいだ新宿をうろうろすること1時間以上。でも、新宿内でことが済んだので、まず新宿に行ってみてよかったです。
いやはや、お金はほっておいてはいけませんね。先日ブログに書いた休眠口座の時もちょっと苦労したし、昨今は2年以上出し入れがないと口座管理料なるものをとる銀行もあるみたいだし、しっかり管理しないとね。そういえばまだあるかも、少額しか入っていないあの口座、チェックしてみなければ(汗)
今週の展示は「うちらが最高になるには」。絵画・立体・写真・工芸の展示。美術系高校出身の仲良しさん9人展。多ジャンルにわたる若き感性を感じに、是非お越しください。10日まで。
ないものから想像するータカハシカオリ個展
金曜日より、ギャラリー企画展「タカハシカオリ個展 “shape/colors"」が始まっています。
作家のタカハシカオリさんが、「今回の新作は色を塗らず粘土の色そのままに、質感や落とす影によって形を楽しんでもらえるよう制作しています。」と言っているように、いつもとはがらりとかわった作風に、ご来廊の皆さまからも驚きの声が聞かれます。
色がないものからあるものを想像するのは難しい。しかし、想像が膨らんでくると、それは楽しさに変わり、時に色は邪魔になったりもします。
ジュイエでは、過去に何回もタカハシさんのワークショップをやっています。それは、タカハシさんの作った胴体に頭をつけて、色付けするというもの。ワークショップ前の胴体を見るのが楽しみでした。そこからどんな作品が出来上がるのかを想像するのが楽しい。私の思った通りになったことはほぼなく、参加の皆様の感性に感心したり、たまには期待外れだったり...完成を見る前と後とのギャップの楽しさをいつも味わっていました。
今回の展示中に行われるのワークショップの胴体はこんな感じです。いろいろなものが想像できませんか?色が塗ってあるときには気づかない体の表情や服のしわも感じられるような気がします。
ないものから想像すること、それは頭を活性化させます。もちろん想像させる土台となるものが重要となるのですが、タカハシさんの作品はそれに値するものだと信じます。 展示は26日までです。是非、会場であなたの想像力を巡らせてください。
「あること」に感謝する
少し前にどなたかのブログに、「『お金がない』という人がよくいるが、よほどの困窮していない限り、使えるお金はあるはずである。あることに感謝せずに、ないといっているのは思考がネガティブになりよくない』というような内容が書いてありました。これには痛く同意しました。
確かに、本当はお金を持っているのか、そうでないかはわからないけれど、「お金がない」と言っている人はよくみかけます。そして、そういう人とはあまり付き合いたくないなと思ってしまいます。それはそのネガティブな思考からでる負のオーラをこちらに呼び込みたくないからかもしれません。
お金があることに感謝する、いやお金に限らず、家族や恋人や友人や時間や夢や、あることに感謝するのは大切なことなのかもしれません。その姿勢がポジティブにつながります。まぁ私はおめでたいほど前向きなので、そんなこと考えなくてもいいよと言われそうですが。
でも、あまりいないけど、「お金がある」としょっちゅう言う人も信用できなくて、あまりそばにいてほしくないと思うから不思議です。けっきょくのところ、あまり口に出さずに、心の中で「あること」に感謝するのがいいのかもしれません。
今週の展示は「布でつなぐ、友情をつなぐ ― 崔ヒジュと19人のポジャギグループ展」。ポジャギとは、韓国の伝統工芸で、パッチワークに近い薄手の布のことで、その透け感が繊細で美しいです。教室を開いている崔ヒジュさんは、韓国だけではなく日本の教室の生徒さんともギャラリーで発表するのが夢だったそうで、そのお手伝いができてとても嬉しいです。私に「ギャラリーがあること」に感謝。19日まで、是非お越しください。
歌舞伎座ギャラリーと謎解き
タカラッシュが主催している銀座木挽町謎掛心中噺という謎解きがあります。
この謎解きの場所が、なんと「歌舞伎座ギャラリー」で、歌舞伎好き、謎解き好きの私にはずせるわけがありません。というわけで行ってきました「謎掛心中噺」
そもそも、新しい歌舞伎座ができてから何十回も行っているくせに、歌舞伎座ギャラリーには行ったことがありませんでした。初めて行った歌舞伎座ギャラリーはなかなか楽しいところでした。舞台でつかう馬に乗ったり、波の音をだしてみたり、舞台下手側にある黒御簾(下座音楽を演奏するところ)に入って、鳴り物を鳴らしたり、白拍子花子(道成寺)の烏帽子をかぶってみたり、きゃっきゃしながら、これが楽しいったらありません。
しかし、歌舞伎座ギャラリーだけを楽しんでいるわけにはいきません、そう今日に謎解きに来たのです。謎も解かなければー。最初のほうなので、謎も難しくないので、そんなに時間がかかるわけがないのですが、ギャラリーと謎解き両方楽しまなければいけないので、やたらと時間がかかります。
けっきょく、後半はどこででもできるということなので、お持ち帰り。家でじっくり最後まで謎解きをしました。
歌舞伎が好きな方、歌舞伎に触れてみたい方にはお勧めの謎解きです。
蛇足ですが、instagramにこのときの写真をあげたら、歌舞伎座ギャラリーが中心だったにもかかわらず、タカラッシュ様オフィシャルからコメントをいただきました。「これからも楽しんで頂ける企画をお届けできるように頑張ります」とのことで、社交儀礼かもしれないけど、これからが楽しみで嬉しいです。ありがとうございます。
今週の展示は「第9回レッドバンブー展」。当ギャラリーでは3回目の美術系高校の同級生のグループ展です。水彩画、人形、アートボックス、掛軸表装など多彩なジャンルで楽しい展示です。天井からさがっているものまでじっくりとご覧ください。12日まで。
にわかファン
ラグビーが面白い。ワールドカップが日本で開催されて、しかもベスト8に残ったということもあって、日本中が大興奮。テレビカメラの精度があがり細部までよく見れて、またルールの説明も丁寧にされていてわからないなりにも楽しめます。そもそもラグビーは日本ではそれほど盛んなスポーツではなかったので、そこいら中ににわかファンであふれています。もちろん私も。
ずーと昔に、明治大学の名スタンドオフ、松尾雄次選手(かっこよかったのです。)見たさに秩父宮ラグビー場や国立競技場に見に行ったことがあります。そのときもわからないけれど、友人に説明してもらったり、その力強さやスピード感、なによりもパスの体系ができたときの美しさに感激して、とても面白かったことを記憶しています。
その後めったに見ることはなかったけど、何十年もたってまたわからないなりに見ている私は筋金入りの「にわかファン」だなーと感じます。
しかしながら、「にわかファン」という言葉、どうしてもプラスよりもマイナスな感じが否めません。英語だと
「bandwagon jumper」(楽隊車に飛び乗る人)とか、「fair-weather fan」(好天時だけのファン)とかいうらしく、まぁそうなんだけど、これもあまりいいイメージではないような気がします。
でも、このラグビー人気の「にわかファン」は、”にわかファンでもいいじゃん、みんなで応援しようよ”というようなプラスの意味も込められているような気がします。言葉の意味も時代によってかわっていくのかもしれません。だったらすごいね、このラグビー人気。
今週は「志津雅美・中村いわね展」、石彫の展示です。本物の石もありますが、石そっくりの石もあり、重厚さと遊び心のある展示です。是非お越しください。29日まで。
休眠口座
3ヶ月くらい前のこと、記帳だけしていて、ずっと使っていない通帳を記帳しに行ったら、記帳できませんでした。ATMの横についている電話で聞いてみたら、「休眠口座の可能性があるので窓口に行ってください。」とのこと、もう窓口は閉まっていたので、カードは使えるかどうか聞いてみたら、カードは使えるとのこと。”なんだ、じゃあ今度カードで全額おろせばいいや”と一安心。
さらに1か月後、カードでおろしに行ったら、カードも使えない。ここで少しあわてました。残額は約10万円、10万円あったらあれも買えるし、これもできる。諦めるわけにはいきません。またATMの電話で聞いてみたら、やはり休眠口座扱いになっていました。この口座、OL時代に会社のそばの支店でつくったものです。つくった支店に行かなければいけないと言われ、連絡先を聞いて、ひとまず家へ帰りました。
再度問い合わせ、ずいぶん前のことなので、支店は閉鎖、他の支店に統合されているし、私の住所も電話番号も当時とは違うので、電話では答えられないとのこと、「とにかく通帳とハンコと身分証明書をもって近くの支店に行ってください。すぐには手続きできないかもしれません。」と言われました。
えぇー、そんなに大変なの?何しろ10万円がかかっています。あわてて、昔の住所がわかる年金手帳をさがしだして、近くの支店に行ってきました。
そうしたら何のことはない、ハンコと同じ銀行の別口座があったので、あっさりと手続きをしてくれました。身分証明書の提示もなし。たまたま記帳しようと思ってもっていた別口座の通帳が役に立ちました。でもそんなこと3回の問い合わせで誰も言ってくれなかったじゃん。大体聞くごとに少しずつ違うし、ちゃんと教えてほしい。
かくして、無事に10万円は別口座に移されました。10年(銀行によって違うらしい)取引がないと休眠口座になるそうです。ほっといた私が悪いんだけど、皆様もお気をつけください。
今週の展示は「広瀬仁美展覧会」。月や花や雨上がりが題材のアクリル画の展示。特に月の絵のシリーズが印象的です。優しいけれど、元気がもらえるような展示。今日(19日)、明日(20日)のみ開催です。是非お越しください。
00000JAPAN
2週間前の台風15号による千葉県の被害がはかりしれません。いまだに停電の地域もあるようですし、首都圏に近い地域でこれほどまでの被害をうけたのは記憶にありません。被害を受けた地域の復興を心よりお祈りいたします。
直接の被害が大きかったのはもちろんですが、それを広げたのは電気や水道のライフラインが止まってしまったから。それに通信障害が加わって、携帯などで全く情報が得られない、連絡がとれないというのもあったようです。
ニュースで知ったのですが、00000JAPAN(ファイブゼロジャパン)という公衆無線LANがあるらしいです。これは大規模災害時に無料で提供される登録不要のWi-Fiポイント。東日本大震災のあとで取り組まれて、熊本地震のときに実用化されたということでした。し、知らなかった。知らないのは私だけ?私はこういうことには敏感なほうだと思うので、知らない人ってけっこういるんじゃないでしょうか?
00000JAPANっていったい誰が運営しているのか気になったので、調べてみました。これを運用しているのは、「一般社団法人 無線LANビジネス推進連絡会」というところで、DOCOMOやau、ソフトバンクなど名だたる通信会社はすべて参画しています。一般社団法人だから政府機関ではなさそう。無線LANを普及しましょうというのが会の主旨みたいですが、こういう災害時の活用を考えているのは心強いです。
00000JAPANは災害時に登録不要で使用するため、つながることを主たる目的にしているのでセキュリティが非常に甘いそうです。とにかくいろいろと前もって知っておかないと、いざ災害時に、これは使えないと思うのです。 こちらに使い方がわかりやすく載っていました。このブログをみて初めて知った方がいたら、是非目を通してくだされば幸いです。
今週の展示は「少年黙示録」。少年をテーマにしたイラスト中心の21名の作家によるグループ展。(以前当ギャラリーで開催していた「少年展」とは企画、主催が違います。)ギャラリーいっぱいの少年(の作品)が圧巻です。2枚目の写真は、私のお気に入り。是非お越しください。23日まで。
夏休みの宿題
「姪(小学6年生)の夏休みの宿題に『お店を見学する』というのがあるので、ギャラリーを見学させてくれないか」という依頼を友人から受けました。画廊やギャラリーというと高価な絵がたくさん飾ってあって、それを販売するというのが一般的な印象かと思われます。スペースを提供する貸しギャラリーは商売としてはニッチな領域なので、小学生の宿題としてはわかりにくいのではないかという懸念はありましたが、それでもいいということなので、承諾することにしました。
どうせなら展示しているときにと思い、展示作家さんの許可を得て、先週の「Hoe-ru」の展示の時に来てもらいました。
「どういうしくみの商売ですか?」「嬉しいことは何ですか?」「困ったことはありますか?」など、簡単なインタビューをうけて、ギャラリーと展示を見学。小学生の彼女(緊張していました)がどういう風に思ったかわからないけれど、私にとっても自分の仕事を見つめなおすことになり、「あぁ私はだから貸しギャラリーをやっているのだ」と再確認しました。
詳しく聞くと、宿題は「私の夢」という大きなタイトルの中の「責任」という項目での見学ということらしいです。ギャラリストになることが彼女の夢となりうるかはともかくとして、気軽にアートを楽しむいいきっかけになってくれればいいなぁと思いました。
個人商店が少なくなっている今、見学先をさがすのも大変だとか。いやはやいまどきの小学生の夏休みの宿題は大変ですなぁ。
今週の展示は「触れると案外小さかった 堀内蓮・久保心花二人展」。武蔵野美術大学映像学科の二人による映像・写真・文章のインスタレーションです。存在するようでしない、あるいはその逆。そんな哲学的なことを感じます。3日間だけの展示です。是非お越しください。9月1日まで。