管理人の独り言 le monologue

蝶が舞うとき

花が咲き、蝶々がひらひらと舞うのをみかけるよい季節になりました。

少し前の天声人語に蝶の「卍巴飛翔(まんじともえひしょう)」について書いてありました。「卍巴飛翔」というのも聞きなれない言葉ですが、これは、「2羽が互いに輪を描くように飛ぶさま」のことを呼ぶらしいです。従来は「雄が自分の縄張りを荒らしにきた別の雄を追い払う行為」とされていましたが、新説によれば、「飛来した相手が雄か雌が区別ができないまま、やみくもに求愛している行為である」とのことでした。

新説がまだ受け入れられているわけではないようですが、2羽の蝶がひらひらと舞うさまは、人間の目からみれば平和でのどかな風景のように思います。そうなれば、攻撃よりも求愛のほうがふさわしい。追い払っているのねと思うよりは、求愛しているんだと思ったほうが、春らしい気がします。雄か雌かわからないでというのも、のんきで間抜けな感じでほっとします。

ロシアとウクライナの紛争やら、いまだおさまらないコロナやら、いろいろざわざわする世の中、蝶々をみるときくらい「攻撃」「追い払う」なんてことは考えたくないと思うのは私だけでしょうか?


REVERSE REVERSE

今週の展示は「REVERSE」しらい(モデル)と瑳里(アーチスト)のポートレートの写真展、撮影時の衣装も展示しています。
異次元に行けそう、そんな楽しい写真展です。ファンの方のみならず、どなたでも楽しめる展示ですので是非お越しください。5月3日まで。入場料:500円

「春を願う黄」と「春を憂う青」

雨が多かった4月ですが、ここにきて初夏の暑さになり、どことなく不安定な春。そんな中で架空想企画公募展の「ハルユメ。」が開催されています。

春を思わせる穏やかで柔らかな作品が並び、いろいろな春を感じながら観ていると、とある作品に目を引かれました。それはヨシタカユキコさんの「春を願う黄」と「春を憂う青」。
ひみつ
作品自体が素晴らしいのはもちろんのこと、黄色と青は私の好きな色、そしてなによりもタイトルのつけかたが秀逸だと思いました。

冬の寒い時、「あー、はやく春がこないかなぁ」誰もが暖かい春がくるのを願っています。だけれども、必ずしもよいことばかりではなく、花粉症だったり、肌があれたり、新しい生活に慣れなかったり憂鬱なことも多いように思います。今年のように暖かくはなったけれど、雨がふったり暑かったりして不安定な気候だと、精神的に安定しない人も少なくないのではないかと思います。

ヨシタカさんの絵は、その顔の表情や黄色と青の色で、願う、憂うというのがよく表れています。そしてそのタイトルから、いろいろな春に思いをはせることができる素敵な作品です。タイトルって大切、タイトルも作品の一部とつくづく感じました。

「ハルユメ。」は25日(月)まで、他にも素敵な作品がたくさんありますので、是非お越しください。

ひみつ ひみつ

マイナ保険証をつかうと

マイナンバーカードはe-taxにするために、3年ほど前に取得しました。私は車の免許をもっていないし、パスポートも切れてしまったから、他に写真付きの身分証明書がないので、マイナンバーカードは、けっこう重宝しています。
しかしながら、これを健康保険証と結び付けたり、銀行口座と結び付けたりするのはちょっとなぁと迷っていました。おそらくそう思っている人は少なくないんじゃないかと思います。

先日、マイナ保険証(マイナンバーカードと保険証を結びつけるとこう呼ぶらしいです)について驚きのニュースを見つけました。これによれば、4月からマイナ保険証をつかうと3割負担の人で、初診21円上乗せされるらしいです。え、なんで?安くなるならともかく、高くなるんじゃ誰も保険証と結びつけないんじゃないの?

どうやら、マイナ保険証を使える医療機関が少ないので、医療機関の診療報酬をふやして、導入してもらおうということらしいのですが、これだとマイナ保険証をつかう患者は激減するような気がします。
ただでさえ、マイナンバーカードは重要な個人情報が含まれるので、あまり持ち歩きたくないと思っているのに、21円といえども、高くなるんじゃ今のままのほうがずっといい。保険証と結びつけるともらえる何千円かのマイナポイントなんていりません。

いったい何を考えているのだろう?これではいつまでたってもマイナンバーカードなんて広まるわけないと思います。それとも、いつの日か強制的に保険証や口座に結びつけられてしまうのでしょうか?そうなるとしたら、また莫大な税金がつぎ込まれます。なんかいやだなぁ~


ひみつ ひみつ

今週はの展示は、「ひみつ」 女子美術大学短期大学部の新2年生の主に絵画の展示です。大作が多く、すごく頑張っているのが伝わってくる、学生さんらしいよい展示です。小部屋には「ひみつ」スペースも。5日までです。是非お越しください。

歌舞伎と私

コロナから2年、好きだった旅行も皆でおいしい料理を食べに行くこともなくなり、展示を見に行く回数も減ってしまいましたが、それならそれで、不満もなく生きていけるようになったのが不思議です。

その中でひとつだけ残した趣味が、歌舞伎を見に行くこと。これだけはほぼ毎月かかさず行っています。芝居好きの友人からもらった年賀状に「恐る恐る歌舞伎座に通っています」とありましたが、我が意を得たり、そうそうそうよね、これはやめられないと、同志を得たような嬉しい気持ちになりました。

歌舞伎との出会いは、大学の「演劇研究」での、歌舞伎をみてのレポートの宿題。それから歌舞伎にはまり、卒論のテーマも歌舞伎。当時母親が、羽左衛門(15代目)がかっこよかっただの、六代目(菊五郎)の道成寺がよかっただの言っていたのを聞いて、うらやましいなぁ、そのころの歌舞伎みたかったなと思っていたのが、月日がたって母と同じようなことを言っている自分がいます。

そんな付き合いの長い歌舞伎は、簡単にはあきらめられません。感染対策万全で、席も空けてあって見やすい、本当に好きな人だけがくる歌舞伎も心地いいものだけど、やはり、「~屋!」とか「待ってました!」と大向こうから声がかかる歌舞伎をみたいなぁと思う今日この頃です。


頭上に綾なすもの 頭上に綾なすもの

今週は、「頭上に綾なすもの」27名の作家によるコミックアートを主とした展示です。冠、帽子、リボンなどをきらびやかに身に着けた作品がところせましと並びます。ギャラリーはとても華やかな雰囲気です。 無理のないように是非お越しください。28日まで。

古いメーラーに助けられ

【えきねっと】アカウントの自動退会処理についてという件名の、今出回っている詐欺メール、このメールを2月の終わりに初めて受け取りました。これは、「2年以上ログインしていない人は、ログインしてください。ログインしない場合は自動的に退会となります」という、いかにもありそうな内容です。そういえば、コロナで旅行していないし、えきねっとにはログインしていないなぁ、でもまた入るのも面倒だし、とりあえずログインしておこうと思い、メールに書いてあるアドレスをクリックして、ログインしました。 ところが、ここにきて何通も同じ内容のメールがきます。これはー、と思って調べたら、やっぱり詐欺メール。うぁーやっちまった。取り急ぎ、えきねっとのパスワードを変えて、登録してあったカードの情報を削除しました。

この詐欺メール、調べると、ログインして個人情報からカード情報を盗み取るように誘導されるらしいです。まてよ、私はログインしたけれど、個人情報にも、カード情報入力にもいかなかった。ただただログインしただけ、それなりの画面にいっただけです。見た目もえきねっとそのものだったし、いやでも、詐欺サイトはそっくりに作りこんであるっていうし…
そこで、もう少しつっこんで、あえて詐欺サイトにいってみました。なるほど、見た目は似ているけれど、ログイン画面だけだし、私がログインしたえきねっとの画面とは全くちがいます。けっきょくのところ、正しいサイトにいったとしか思えない。

何故私は詐欺サイトにいかなかったの?ここで気づきました。私は古いメーラーをつかっているので、HTMLのメールが読めない、テキストで受信しています。これが幸いしました。テキストファイルなので、プログラムで裏に隠されているサイトにはいかないのです。

あー、助かりました。詐欺サイトにいっても、さすがにカード情報をいれさせるところで気づいたと思いますが、ぼーっとしているときならついうっかりってこともあるかもしれません。
それにしても、詐欺メールって新手の作がどんどんでてくるものですねぇ。ほんと、気をつけないと。


Just Another Day with Cat Just Another Day with Cat!

今週は、「Just Another Day with Cat」飼い猫との日常を描いた日本画の展示です。一見どこに猫が?と思う絵もあって、よくみるとなるほどと思います。猫を飼っている方なら、日常的にみる場面なのかもしれません。優しく穏やかな時間が流れています。 是非お越しください。15日までです。

ウクライナ侵攻に思うこと

中学生の頃、1年上の先輩が白血病で亡くなったということがありました。あとで聞いたところによれば、被爆2世だったそうで、「もはや戦後ではない」という頃に生まれた私にとっては、戦争とか原爆の恐ろしさを身近に感じる初めての機会でした。

最近、ロシアがウクライナに侵攻したというニュースが毎日のようにトップで流れています。プーチン大統領は核武装も辞さないと言っているそうで、これが、私の中学の時のこの記憶をよみがえらせました。戦争はいやだ、その時代の人どころか、戦争を知らないはずの次の世代にも影響を及ぼすような、核をつかった戦争なんてもってのほかです。

ロシア(プーチン)側にも言い分はあるでしょうし、ネット上にもプーチン擁護、ウクライナ批判の意見もちらほらと見かけます。少数の意見も無視すべきではないとは思いますが、それらを考慮したとしても、沢山の人の日常を壊すような行為は断じて許されることではないと考えます。

今ギャラリーでは、チベットの作家さんの展示をやっています。小さなギャラリーのジュイエでも、時々海外の作家さんが展示してくださいます。このような平和で優しい時間が、ずっと続くことを願ってやみません。


パクパジャブ個展 パクパジャブ個展

今週は、チベットの作家のパクパジャブ個展「新しい町」です。絵画、半立体、映像の展示。ジャンルは多岐にわたりますが、全体としてまとまりのあるインスタレーション要素のある空間になっています。チベットにいたときは風景画などを描いていたそうですが、それでは日本に来た意味がないので、全く違うジャンルでの個展になりました。それが展示タイトルの「新しい町」にも表れているようです。 素敵な展示です。3日間だけですので、是非お越しください。7日まで。

一円切手

62円やら82円やらの切手がでてきたので、無駄なく使うために1円切手と2円切手を買いにいきました。
私は以前からある、郵便の創始者たる前島密の1円切手が気に入らない。「日本近代郵便の父」と呼ばれているくらいだから、日本郵政が残したいというのはわかるんですけど、あの古臭い感じがどうもねーと思って、1円でいいところを2円切手を貼っていました。

でも、最近可愛いぽすくまの1円切手がでたと聞いていたので、1円切手はそれしようと「可愛いほうの1円切手を10枚」とお願いしたら、シートじゃなきゃ売らないとのこと。シートは50枚、えー、50枚もいらないんだけど…

しかたない、前島密切手で我慢するか、2円切手をふやすかと迷ったときに、ふと気づきました。「50枚って50円じゃん。」 このシール状の切手50枚で50円です。
一円切手

作るのに絶対50円以上かかるでしょ。そうかそれでもつくらなきゃいけないのか、前島密切手が気に入らない人って多いのかもね。そう思うと不思議なもので、この1円切手シートを買って、得した気分になりました。たかが1円、されど1円、この切手大事につかうことにします。採算がとれなくてもつくらなきゃならないなら、消費税分おまけしてくれてもいいような気がするけど、ダメなんだろうなぁ。


ふたご星の煌めき ふたご星の煌めき

今週の展示は、「ふたご星の煌めき」 当ギャラリーではおなじみ、架空想さん主催の、23名の作家によるコミックアートの展示です。今回は「ふたご」がテーマ。作品も会場もきらきら、Twinkle Twinsをお楽しみください。21日まで。

梅一輪

昨日、通り道のお寺のしだれ梅が花をつけているのを見つけました。ここのしだれ梅はいつも近所で一番先に花を咲かせます。そして、あぁ春がくるんだなぁと感じる一瞬を、私に届けてくれます。去年は確か1月にはこの光景をみたはず、今年は少し遅い。おととい雪も降ったし、また雪が降るという予報もあるし、今年はいつもより寒いんだなぁと、1輪の梅の花がいろいろ教えてくれます。

しだれ梅

そして、昨日ある方の訃報をききました。年齢も百歳、あっという間に逝ってしまわれたそうで、大往生と言っていいのでしょうが、ご家族の寂しさはいかばかりのものかと心が痛みます。
昨日見た梅は、なんだかこの方の旅立ちを見守っているように感じました。死は悲しいけれど、誰しもに必ずやってくる。そんな時にみた梅は、凛としていて、残された方が前を向けるような、そんな気がしてなりません。

1輪の梅に思いをはせる。春はもうすぐ、確実に近づいています。


   梅一輪、一輪ほどの 暖かさ   服部風雪


の、もと。展 の、もと。展

今週の展示は、「の、もと。展」 東京藝術大学工芸科の5人展。彫金、陶芸、染色、ファッションなど、「ふれる、しる、そうぞうする。わたしたちのもと。」がテーマの透明感のある展示です。ギャラリーが優しい雰囲気に包まれます。是非お越しください。15日まで。

オミクロン株

2022年初めの展示「福迎えの呪」が始まっています。年の初めにふさわしい「縁起物」がテーマの展示で会場も美しく彩られています。

さて、そんな素敵な展示とはうらはらに、コロナのオミクロン株がまん延し、東京都には、再び「まん延防止等重点措置」がでてしまいました。今日の東京の感染者は1万人越え、こうなるとどんなことをしていいのやら、途方に暮れてしまいます。
ワクチンにしたって、3回目って本当に有効なの、今までと同じワクチンでオミクロン株に効くの?私はファイザー製だったけど、3回目モデルナ製で大丈夫なの?とかわからないことだらけです。

ただ、コロナに慣れてしまったせいか、オミクロン株は重症者が少ないせいなのか、発祥の地の南アフリカが今までと比べて短期間で収束に向かっているらしいし、8月の第5波のときも、いつのまにか収まってきたのを体験しているせいか、あまり怖さを感じていません。じっと待っていれば、第6波はすぎさってくれるのでは、と大した根拠もないのに、思っている自分がいます。

それは、世間の風潮もそうのような気がします。第5波のときの東京の感染者数の倍以上でありながら、緊急事態宣言はでていないし、いつもに比べて楽観的な気がします。都知事の「感染は止める、社会は止めない」という言葉にもそれが垣間見れます。
本当にそれでいいのか?とも思います。

けっきょく、今まで通り、手洗い、消毒、マスク、不要不急の外出は控えるってこと以外思いつきません。なんにせよ、コロナは6波で終わってほしい。どうぞ7波がきませんように。


福迎えの呪 福迎えの呪

今週は前述の「福迎えの呪」、22名の作家によるコミックアートを主とした展示。コロナ禍ですが、無理せずに素敵空間にお越しください。24日まで。

怖いのは人間

昨日、大阪の中心で火事がありました。冬場は火事が多いものですが、ビルの4階、25平米が燃えただけなのに、死者24名って何故?と思ったら、引火するような液体を暖房器具の横において蹴るという、考えられないような放火だったらしいです。亡くなったかたには、心からのご冥福をお祈りいたします。

火事で多大な犠牲者がでるのは、たいていの場合放火が原因なのではないでしょうか?京都アニメーションの火事もしかり、20年ほど前の、新宿の雑居ビルの火災もそうだったように記憶しています。雑居ビルで避難しにくいということを差し引いても、放火でなければ、こんなにも多くの犠牲者はでなかったのではないかと思います。

話は違いますが、最近東京では、アメリカから帰国したオミクロン株のコロナ濃厚接触者が、14日間の自宅待機と誓約書まで書きながら、おそらく恋人と2日間もともにし、その恋人と思われる人が熱がありながら、会社やサッカーに行って、けっきょく両者とも感染していたということがありました。これはあまりにも軽率で、誰もが迷惑千万な話と感じたに違いありません。

こうなってみると、一番怖いのは人間。大きな目でみてみれば、各地で災害が起こっているのだって、地球温暖化が原因というのがほとんどだし、その地球温暖化だって、けっきょくは人間がしてきたこと。なんだかなぁっていう感じです。
自分だけよければそれでいいという考えを捨てて、すべての人が他人のことも考えて生きられれば、もう少し住みやすい世の中になるんじゃないかとつくづく思います。


Doodle Notes Doodle Notes

今週は「凍星に柔らかなぬくもりを」、23名の作家によるコミックアートを主とした展示。冬の寒さに負けないようなふわふわもこもこなイメージがテーマです。架南さんが主催されるコミックアートの展示は当ギャラリーで今年7回目、今年最後のジュイエの展示にふさわしいです。是非お越しください。20日まで。