管理人の独り言 le monologue

透明なるスペクトラム

今年も中央線芸術祭の時期がやってきて、今最後のプログラムが開催中です。ギャルリー・ジュイエも、3年連続で会場のひとつとして使っていただいています。この芸術祭、インスタレーションの展示がとても多いという特徴があります。インスタレーションというのは、個々の作品をひとつずつみせるのではなく、空間や音楽を含めて全体でひとつの作品となるので、おそらく作家にとっては魅力的な展示方法ではないかと思います。その反面、作品を販売することがむずかしく、それはお金にするのがむずかしいことにつながり、ハードルが高い展示ともいえます。インスタレーションの展示が多い中央線芸術祭は、そういう意味でも作家さんにとって得難いフェスティバルなのかなぁと感じます。

開催中の『「透明なるスペクトラム」ゆにここ × カシマモユ 二人展』もインスタレーションの展示です。タイトルや説明が哲学的で難解なのも、インスタレーションによくあること。ですが、実際の展示をみてみると、紐解くようにその意味がわかってきます。
少なくとも、2人の作家さんが創り出した、白い不思議な空間に何かを感じることはできるのではないでしょうか?

作家のゆにここさんとカシマモユさんは、いっしょに展示するのもはじめてだそうです。今回の展示は、2人展にはありがちなギャラリースペースを2つにわけるというわけではなく、2人の作品が混在しています。しいていえば共通点は白っぽいというだけで、全く作風が違うのに、うまく空間にマッチングしています。加えて、会場に流れる音楽は、2人の声をもとに作られたサウンド作品で、つぶやくような音が、展示によくあっています。
普段いっしょに展示しているならともかく、2人の作家さんも中央線芸術祭さんも、よくこんなむずかしい展示に挑戦したなぁと感心してしまいます。言葉にするのは難しいですが、百聞は一見に如かず、是非会場で、この素敵空間を観て、聞いて、触れて、楽しんでください。7日(火)まで開催しています。

*入場には中央線芸術祭の共通チケットが必要です。会場でも購入可能です。(一般500円、学生250円)

透明なるスペクトラム 透明なるスペクトラム

百均減税

ネット上で岸田総理が「独身税」導入検討しているという噂がたっているのを見つけました。少子化対策のため、独身税払いたくないので皆が結婚するようになる。そうすると子供がふえるという、風が吹けば桶屋が儲かる的な発想らしいです。実際導入されたブルガリアでは失敗しているし、単なる噂なので、まあ導入されることはないでしょうが、こんな噂がたつくらい岸田総理の増税政策は目を覆いたくなるほどです。さすが「増税メガネ」と揶揄されるだけのことはあります。

その総理が、4万円の所得減税を打ち出してきました。4万円、しかも1年だけじゃねぇ。選挙対策かしらんと思っていたら、昨日の朝日新聞の小コラムに

『年4万円 1日110円』
「百均」減税だね。 - 国民
岸田首相どの

というのを見つけました。
なかなか言い得て妙ではありませんか。ないよりましだけど、せいぜい百均くらい。うーん、そんなものですねぇ。何かもっと有益な、みんなが幸せになるような政策出してほしいです。

私個人の考えでは、少子化対策は、教育の充実だと思います。私は私立大学出身ですが、それほど授業料が高かったわけではないし、奨学金を受けている人もあまりいなかったように思います。国立大学にいたっては3万くらい(年間です!)だったように記憶しています。今は50万ちょっとくらいなのかなぁ、物価の値上がりを考慮しても高すぎでしょと思ってしまいます。
以前できていたことが何故できないの?誰でも受けたい人が良質な教育を受けられたとしたら、優秀な人材もふえるし、国家的にも発展するんじゃないかと思うのは間違いではないと思います。

出所はわかりませんが、「日本の貧困は政策ミスだ」というのをカナダかどこかの大学の経済学でとりあげられたという話もあります。真偽はともかく、こういう話がでまわってしまうほど、日本は危機的な状況にあります。税金は使われるべきところに、無駄なく、正しく使ってほしいものです。


まいぷに活動10周年記念展 まいぷに活動10周年記念展

今週の展示は「まいぷに活動10周年記念展」、まいぶにさんの魅力満載の、主に写真と映像の展示です。ギャラリー空間が可愛さでいっぱい、3日間の展示です。30日まで。是非お越しください。入場料1000円

電気料金還元詐欺

東京電力の子会社という人が突然訪ねてきました。何という会社かは忘れてしまいましたが、首から社員証的なものもさげていました。最近は東京電力もテプコとかエナージーパートナーとかいうし、そんな子会社もあるのかも、電気のことだし、一応話はきいておくことにしました。

如才ない感じの人で、「今年の6月に全国でスマートメーターにすべてかわったので、検針員がいらなくなり、経費の節約になったので、その分還元します。そのためには家庭用を事業用に変えなければならず、前にご案内しているけれど、ハガキが戻ってこなかった人を訪ねている」という内容を流暢に説明しだしました。
案内なんてもらったっけ?チラシやハガキだったら、よく見ずに捨てたかもと思っていたら、「緑の封筒にいれて郵送した」と言います。緑の封筒?そんなもの送ってきていない、私はこういうことの記憶力はすごくいいので、あれば絶対覚えているはずなのです。 「送ってきてないから、緑の封筒をもう一度送ってほしい。緑の封筒の中身をみないかぎり、話は先にすすめられない」と言ったら「再送はできないことになっている」と相手が言います。「届いていないのだから再送ではないし、それくらい会社と交渉してください。確実に届くように必ずこの住所に送って」と名刺まで渡しました。

このあたりから、相手の様子が少しおかしい。もしかして詐欺?と思い、もう一歩つっこんでみました。「いったい、あなたはどこの誰を訪ねに、ここに来たんですか?」と。そうしたら「僕はこの住所を訪ねるように言われただけなので…」としどろもどろ。ギャラリーの住所はお隣と全く同じなので、「それならうちかお隣かわからないじゃないですか?」とさらにつっこんだら、逃げるように帰っていってしまいました。

あとでネットで似たような事例をさがしましたが、見つかりませんでした。新手の詐欺の手法なんでしょうか?
誰でも使う電気だし、昨今の電気代の高騰っぷりを思えば、還元とか割引とか言ってだますのは、常套手段とはいえ、つい話をきいてみようかという気になるものなのかもしれません。現に私もそうだったしね。でも、よく聞いてみると、なんだかおかしいところがでてきます。それを見抜く知識と情報は身に着けておかなきゃなぁと気づくよい機会でした。
詐欺は突然やってきます。皆様もお気をつけください。


楽書展 2023 楽書展 2023

今週の展示は、楽書展 2023「天と地」、世界の始まりをテーマに創作。天と地にまつわる絵画や絵本などから得た発想を純粋に表現し対話を通じて生まれた書の世界。自由な表現のアーチスティックでおしゃれな書道展に是非お越しください。3日間だけの展示です。22日(日)まで。

そうめんで食中毒?

暑かった夏が終わり、やっと秋の風が吹いてきました。ジュイエトップ画も、7月に展示してくださったmanimaniumさんの写真にしました。涼し気でいい感じです。

涼しくなってほっとしていたら、「流しそうめんで食中毒892人」なる記事を見つけました。えっそうめんで食中毒なんてなるの?なんでも流しそうめんにつかっていた湧き水がカンピロバクターに汚染されていたとか。カンピロバクターって生肉とかについている細菌じゃなかったっけ?そうめんにカンピロバクターって、しかも900人近くもって前代未聞ではないでしょうか?

この流しそうめん、コロナなどで4年ぶりの復活だったらしいです。そして、そうめんに使う湧き水の水質検査をしなかったらしい。4年ぶりなのに、検査もしなかったのーとちょっと驚きです。そういえば、どっかの温泉もお湯に入れ替えや消毒も清掃もろくにしなくて、レジオネラ菌が基準の数千倍ということもあったと記憶しています。

そうめんやら温泉やら、皆安全と思っているのに、管理者がいいかげんだと、こういうこともあるんだということを目の当たりにしたような気がします。なんでも疑うのはよくないけれど、ほんと、いろいろ気をつけなきゃいけない世の中になったんだとつくづく思います。それにしても、そうめんも温泉も好きなので、どちらも手放したくない、ちゃんとやってくださいと言いたい気分です。


夜のとばりが降りるとき 夜のとばりが降りるとき

今週の展示は、4人展「夜のとばりが降りるとき」、絵画とイラストの展示です。星の煌めき、月光の清々しさ、漆黒の闇の恐れ、暮れゆく夕暮れの寂しさ、さまざまな夜を感じてください。10日までです。是非お越しください。

お芝居の観かた

今月はよいお芝居を2つ観ました。

1つは「ふるあめりかに袖はぬらさじ」。昨年、歌舞伎で玉三郎主演で観たのが面白く、大竹しのぶ主演で上演するというので劇場に足を運びました。有吉佐和子原作のこのお芝居は、時は幕末、横浜の遊郭で、ある遊女が自殺、それが尊王攘夷の嵐の中、「攘夷女郎」の伝説となって…というのがおおまかな筋。主役のお園は、その遊郭の芸者という設定。玉三郎ももちろんよかったのですが、場末の遊郭にしては、上品すぎという感もあったので、大竹しのぶのほうが、そのいう点ではよかったかなぁと思いました。
初演は杉村春子だったそうで、もはやかなうことがないのですが、こちらも観たかったと思わせるくらい、今回の脚本も演者もよかったです。

もう1つは「連獅子」。有名すぎるくらいの歌舞伎の舞踊劇、親獅子、仔獅子の精が舞い、親が子を谷底につきおとし、はいあがってきた子だけを育てるという伝説からなっています。
今回は尾上菊之助(親獅子)と10歳の尾上丑之助(仔獅子)。「連獅子」は何回もみたけれど、そしてもっと踊りがうまい人もいたけれど、私が観た中では今回が一番よかったです。親獅子のきりりとした姿、懸命な仔獅子の姿がよく伝わってきて、客席からも拍手の嵐でした。

観方もいろいろあると思いますが、同じ演目を違う役者でみて、自分の中で比べてみるのも、お芝居の醍醐味だなぁとつくづく思いました。お芝居とは、こうして脈々と受け継がれていくものなのでしょう。
両方ともまだ上演されているので、興味のあるかたは行ってみたらいかがでしょうか?


passage passage

今週の展示は、― PHOTO EXHIBITION『Passage,』―Takashi EBI × Taichi OKEDAです。北海道に魅せられたカメラマンと沖縄の離島に心奪われたカメラマンが旅路の途中で出会い実現したコラボ写真展。北の果ての北海道、最南端の沖縄、正反対のはずなのにどこか共通点があるような気がします。遠くに旅したくなるような素敵写真展に是非。26日(水、木休み)までです。


今日9月18日で、ギャルリー・ジュイエは20年、こんなに長く続けられるなんて思っていませんでした。ジュイエで展示してくださった皆様に、展示をみにきてくださった皆様に、そして、偶然この日に素敵な展示をしてくださった「Passage,」の作家さんに感謝いたします。

山本二三先生との思い出

8月19日に、アニメの背景画家の山本二三先生が亡くなられました。

山本二三先生といえば、「天空の城ラピュタ」や「もののけ姫」「時をかける少女」などの美術監督で、たとえその名は知らなくても、絵は誰しもがみたことがある、アニメ界の至宝ともいうべき方です。

その二三先生とギャルリー・ジュイエとは縁が深く、ジュイエで3回も展示していただいています。数多の美術館で展示されている「もののけ姫」や「火垂るの墓」の背景原画や、ゲームの「世界樹の迷宮」の原画、その他たくさんの原画や複製画を展示していただいたのは、ギャラリストとしての私の自慢でもあります。2015年の個展でのデモンストレーションの雲の絵は、私の手にあり、自宅の玄関に飾ってある宝物です。
二三雲原画

一昨日、ギャラリーに行く途中の道で出会った景色に、思わず目を見張りました。
二三雲
「時をかける少女」の背景みたい!18年あまり通っている道、もう何千回も通っているのに、こんな光景みたことがありません。 この道を自転車で駆け抜けていくあいだ、「タイムリープ」はもちろん起こらなかったけれど、ずっとずっと二三先生に語りかけられているようでした。
あー、私は何て素敵な縁を二三先生からもらったのだろう。これからも夏の雲をみるたびに先生のことを思い出せます。

そして、葬儀の日の今日もまた、頂いた絵にそっくりの「二三雲」が空に浮かんでいました。
二三雲

二三先生さようなら。あの雲の上で、安らかにお眠りください。


微睡みに蓋をする 微睡みに蓋をする

今週の展示は、「微睡みに蓋をする」武蔵野美術大学 空間演出デザイン学科の2年生による3人展です。 空間演出、映像、写真など、様々なメディアで、夢と現実の狭間、揺らめきを表現。もろく儚くも美しい世界に是非お越しください。29日まで。

アンドロイドオルタ4

昨日のニュース番組で「AIアンドロイドオルタ4」のことを取り上げていました。
「AIアンドロイドオルタ4」とは、大阪芸術大学アートサイエンス学科の研究室が開発した歌うAIロボットのようなもので、音楽家の渋谷慶一郎氏が音楽監修して、パリのシャトレ劇場で「アンドロイドオペラ」を上演、好評を博したそうです。へー、面白そう。そういうオペラみてみたいなぁと思って、番組を見続けていました。

すると、ChatGPTに最近のニュースを学習させて作成した歌詞を、オルタ4がピアノにあわせて即興で歌うという生配信が始まりました。「日出ずる国の権力と支配」「万博は来ない、工事はすすまない」「北のミサイル」とか「何故伝えられない、僕は真実のメッセンジャー」とか、AIロボットとはいえ、こんなこと言っていいの?って思うような歌詞で、顔の表情や声も奇妙な感じでした。

最近のニュースって政治色の強いニュースばかりではないだろうに、ChatGPTが選んだのは、そういうこと?
人間が言えないことを、AIロボットが忖度なしに言ってくれるのなら、それはそれでいいことかもしれませんが、なんだかうすら寒いものを感じてしまいました。
ここで思い出したのが、ずいぶん前のことですが、AIロボット同士で会話させていたら、人間が理解不能な言葉で会話しだした。というニュース。進歩し続けるAIは、有益なものではあることは間違いないけれど、方向性を間違えてしまうととんでもない方向にいってしまうのではないかという疑念が頭をもたげました。そんなことにならないことを祈るばかりです。


回る展 回る展

今週の展示は「回る展」、武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科の3年生5名による「回る」をテーマにした展示です。宇宙に吸い込まれていく、そんな感じがします。涼やかな雰囲気の展示ですので、是非お越しください。8月1日まで。

とけて、きえる

今、ギャラリーでは写真展「とけて、きえる」が開催されています。

写真家のmanimaniumさんが、モデルのちちちゃん(私の中ではちちちゃんであって、ちちさんではないので、あえてそう書かせていただきます)を4年間撮影した写真の展示。ちちちゃんは2年前にも、しらいちゃんというモデルさんといっしょにフェイクな写真展を、当ギャラリーで開催してくださっています。それはそれでとても楽しい写真展だったのですが、そのときのちちちゃんの写真とは全く違う、もっともっと素の部分がでています。

美しいけれど危うく、不安定だけれど優しい、自然体の写真たちには、写真家のmanimaniumさんとちちちゃんの関係の深さがあらわれているような気がします。 ふたりが知り合ったのは、共通の友人が亡くなったのがきっかけで、
『いなくなった人間関係を埋めるかような、必然のような知り合いかた』
だったそうで、おそらく亡くなったご友人も若くして逝ってしまったのだと思います。人は必ず死を迎えるものとはいうものも、それが思いのほか若く、そのまわりにいた人も若かったら、まして親しい友人だとしたら、心が切り裂かれるような悲しみと虚無感を感じたのではないかと思います。
『これ以上友人を失いたくない強い祈りが、お互いをこの世に引き留めているようだった』

勝手に想像するのが許されるのならば、そうはいうものの月日が流れれば少しずつ忘れていくものだけれど、ふとした瞬間にその思いがよみがえる、でもその頻度が減ってきて、今回の写真展に至ったのではないかと。それが写真にあらわれているような気がします。「とけて、きえる」はこの写真展にふさわしい、素敵なタイトルだなぁとつくづく思います。

考えてみれば、ギャラリーの展示は、どの展示も華やかではあるけれど、数日間のうちになくなり、また何もないスペースに戻っていきます。まるで「とけて、きえる」ように。でも無になるかというと決してそういうわけではありません。必ず何かが残っている、それは私が一番よく知っています。

引用させていただいた文は、manimaniumさんのブログ「エモいってなんだ」にあります。素敵な内容ですので、少しでも興味をもったら是非お読みください。


とけて、きえる とけて、きえる

「とけて、きえる」は3日間だけの展示、23日までです。(入場料:500円)

超音波洗浄器

東京は暑い日が続いています。ジュイエトップ画も、今開催している展示「ナツノカタリテ」から、暑さに負けず元気のでるような作品(部分)に替えました。

さて、私は眼が悪い、いつもはコンタクトレンズですが、家にいるときは眼鏡のことが多いです。老眼対策のために、コンタクトの度数を弱くしているので、演劇をみるとき用の眼鏡もあり、また夏の日差し除けのためにサングラスもありで、とにかく眼鏡の数が多いです。眼鏡ふきで拭くだけでは、あまり綺麗にならず、水で洗ってもいまいち。超音波洗浄器があればなぁと思っていました。

眼鏡やさんの店先にはどこでも超音波洗浄器が置いてあり、無料で使えます。でもね、何も買わないのに洗浄器だけ使うのは、どうも居心地が悪いです。使ったとしてもひとつだけでそれ以上は気が引けます。 欲しいけど、きっと高いよなぁと思い込んでいました。

先日、ふと調べてみたら、そんなに高くない。もちろん高いのもあるけれど、1000円台もあって、え、そんなに安いの?とびっくり。超音波洗浄器を評価しているWebサイトをみつけて、そこで一番評価が高いのが5000円くらい。これならと思って購入しました。
使ってみると、これがなかなかのもの、家に沢山あった眼鏡がすっかり綺麗になりました。そういえばこれって、銀などのアクセサリー洗浄にも使えるんだよなー。これはいい買い物をしました。もっとはやく買えばよかった。

ものが多いので、なるべくものを買わないようにしていましたが、いいものはやっぱり買わなくちゃ。いやいやそれ以前に、整理していらないものを処分しなきゃと思いますが、これがなかなかねぇ。


ナツノカタリテ ナツノカタリテ

今週の展示は「ナツノカタリテ」、新作「太陽に住むりゅうの話」にイマジネーションされた抽象画の展示です。勢いのある鮮やかな色彩の絵に元気をもらえます。物語も楽しみながらご覧ください。18日まで。

五芒星の絵-Sui Yumeshima個展

LECURIOさんで開催中の、Sui Yumeshima個展「プシュケーの信仰」に行ってきました。LECURIOさんは、同じ高円寺にあるアンティークとアートのお店、古くて不思議で美しいものが好きな方にはたまらないお店です。こういう個性的な空間は、作品とのマッチングが意外とむずかしい。お店の個性に負けないように、作品が前に出てこなければいけないし、そうありながらもお店の雰囲気をこわしてはいけない。 この展示は作品と空間が見事にマッチングしています。
重厚でありながらも堅苦しさはないし、メインに飾られている大作には、すがすがしささえ感じられます。作家のSuiさんの絵の解釈の深さや、LECURIO店主様のこだわりをも感じる本当に素敵な展示です。

Sui Yumeshima展

メインの大作はいうまでもありませんが、それ以外に私が気になったのが、五芒星を描いた作品。中心の金色の五芒星が、そのまわりに茶褐色の紙に魔物やら不思議生物が黒色で描かれている、それほど目立つわけではないけれど、強く心に惹かれました。
五芒星で、私が思い出したのが安倍晴明。家紋であり、魔除けにつかっていたのだと記憶していますが、西洋でも魔除けだったそうです。周りにいる魔物は、四天王像に踏まれている邪鬼に似ているような気がするし、日本との共通点もいろいろありそうで面白い。
少し調べてみたら、五芒星は一筆でかけることから、悪いものがはいる隙がないことを意味するとか、黄金比で構成されている美しいデザインなので国旗などに使われるとか、いろいろなことがわかってきました。なるほどねぇ。
ひとつの絵からこれだけ想像したり、調べてみようという気になるって素晴らしい。展示に感動するとともに得した気分にもなりました。

「プシュケーの信仰」は、7月2日(日)までです。お勧めです、気になった方是非。五芒星の絵は左奥にありますよ。